注意すること
コロナ禍やスポーツとしてのプロ化で、ゲーム市民権を拡大してきました。
本来ゲームは、手軽な気分転換やゲームを通じて、コミュニケーションができる遊びです。
しかし最近のゲームは、多くの人に1分でも長くゲームをしてもらうために、様々な手で手でゲームにのめり込ませます。
そのため、子どもだけでなく大人も依存しやすい仕組みになっています。
ゲームのキャラクターと自分を同一視しやすいため、ゲームをクリアした時の達成感やレベルアップに喜びを感じ、もっとゲームがしたくなります。
また、コレクション要素のあるゲームも魅力的でしょう。
特定のカードで強くなったり、数種類のカードを使うことでレベルが上がったりします。芸術的なイラストや特典などもコレクション欲をかき立てます。
そして、ゲーム内のコミュニティで友達を作ることができたり、協力してプレイしたりすることもできます。
チームでの自分の役割があることで必要とされていると感じ、止めにくく長い時間続けてしまうのです。
脳の快楽物質
ハマるゲームは面白くて刺激的で、興奮します。
すると、脳はドーパミンという気持ちがよくなる物質を出します。
ドーパミンが出ることで、ますますゲームをしたくなるのです。
適度にゲームをしてれば、人間の身体はバランスをとろうとするので、ドーパミンを抑える機能が働きます。
しかし、刺激がほしくてゲームをし続けると、脳は理性の働く部分より、本能や感情が働く部分に支配されます。
こうなってしまうと、ゲームをしたいという欲求のまま行動してしまいます。
理性の働く部分の発達が充分ではないため、大人よりもゲーム障害が起こりやすく、重症になる可能性があると言われています。
ゲームがいつでもできる状況は、ゲームに依存しやすい環境と言えます。
特に子どもの場合、親が忙しく1人の時間が多かったり、個室にゲーム機があり自由にできたりという環境は、しなければならないことをせず、簡単に長い時間ゲームをしてしまいます。
また、スマホのゲームやSNS専用ゲームであるソシャゲは、いつでもどこでも簡単にゲームができるため、とても依存性が高いと言われています。
ゲーム障害
「ゲーム障害」とは「ゲーム依存症」とも言われ、オンラインゲームやパソコン、スマートフォンを使ったゲームにハマり、ゲーム中心の生活が続き、健康や社会生活に悪影響が出ている状態です。
「ゲーム障害」は、2019年に世界保健機構(WHO)が正式に病気として認めています。
WHOでは、ゲーム障害とは「ゲームの時間をコントロールできない」「学校や仕事などの社会生活よりもゲームを優先する」などの症状が12か月以上続いていると定義。
幼児期などから症状が出ており重症の場合は、12か月以下でもゲーム障害と診断されることがあります。
ゲーム障害になるとどうなる?
ゲームに依存し始めている子どもは、ゲーム時間を気にしません。
夜中まで長時間ゲームをしたり、布団に入って隠れてスマホでゲームをしていたりするため、睡眠不足のことが多いようです。
友達と出かけたりスポーツをしたりすることに興味を示しません。
ゲームに依存しているため、絶えずゲームのことを考え、ゲームよりもやりたいことがない状態です。
ゲームには暴力描写が過激な内容のものも多くあります。
そのようなゲームをやり続けていると、プレイヤーも影響を受け、攻撃性が高まるという研究結果があります。
また、ゲームの影響で脳の理性の部分が働きにくくなるため、自分の思い通りにならないことがあると、物にあたり壊したり、家族に対して暴言をはいたりすることが増えてきます。
ゲーム障害にならないためにすべきこと
ゲームの状況を把握したら、ゲームをするルールを決めましょう。
利用時間や時間帯を決める、隠れてゲームができないリビングにゲーム機を置く、スマホはベットに持ち込まないなど、具体的に決めることが大切です。
ルールづくりの際に重要なのは、子どもの意見を聞き一緒に考えることです。
子どもは一緒にルールを作ることで、守ろうとする気持ちが強くなります。
ゲーム以外の生活や遊びを充実させ、楽しみましょう。
おしゃべりや旅行、読書や音楽、スポーツなど、インドアでもアウトドアでも、いろいろな体験が子どもの成長を促します。
リア充こそが、ゲーム障害を予防するのです。
ゲーム内容やゲーム時間は考える必要がありますが、ゲームにも様々な良い影響があります。
1日1時間以内のゲームであれば、子どもの生活の満足度は高くなり、社会性も高まる研究結果があります。
高橋名人は、名言を残していたんですね。